Universität für angewandte Kunst Wien(ウィーン応用美術大学)

基本情報

名前: 山本千愛
学部・科or 研究科・専攻: 美術研究科 先端芸術表現専攻
課程: 修士
留学中の本学での身分: 休学
藝大の指導教員: 佐藤時啓 先生
留学先: Universität für angewandte Kunst Wien(ウィーン応用美術大学)
留学国: オーストリア
留学期間: 2023年10月2日~2024年2月4日
留学先の指導教員:Prof. Paul Petritsch

留学までの経緯

[ 留学を志したきっかけ ]
自分の研究に関しての課題を日本だけでなく、文化や歴史背景の違う海外に持ち込むことで、どのような影響や変化を受けるのかを試したいと思ったため。また、特に私は「言葉」に対しての不完全さや、言語化の危うさについて普段から考えることがあり、自分が自由に言葉を思うように操れない場所に置かれた時に、言葉や行動がどのような力を持つかについて興味があった。

[ 留学先大学の探し方 ]
協定校一覧の中から一つ一つインターネットで検索をかけて調べていった。また、コンテンポラリーアートの強い国であるドイツ近辺を中心に調査していった。

[ 留学先大学を選んだ理由 ]
他のファインアートがある大学と比べて圧倒的に専攻数が多く、自由度や専門性が枝葉に分かれていること、でより特化した専門性が得られると感じたから。

[ 語学学習法 ]
オンライン英会話の入会、IELTSの受験

[ 語学試験受験/試験名・レベル ]
IELTS/IELTS5.0

[ 使用した教材 ]
IELTS公式問題集

留学の準備

[ 出願手続き・入試内容 ]
モチベーションレターとポートフォリオの提出

[ 出願・入試の対策 ]
入試はなかったが、モチベーションレターに関しては、休学前に取っていた英語の授業の先生に連絡して添削をしてもらっていた。

[ ビザの種類 ]
なし

[ ビザの申請書類の提出先 ]
なし

[ 申請に必要な書類 ]
なし


[ 奨学金申請の有無 ]
あり

[ 奨学金名称 ]
JASSO第一種奨学金、第二種奨学金

[ 奨学金の種類 ]
給付

[ 支給内容 ]
月額/8万円

[ 申請時のコツ・対策 ]
最初は第二種奨学金だけを申請していたが、一種奨学金と給付型の奨学金の枠が空いたため、繰り上がりで受給可能になった。

[ 加入した保険の種類 ]
日本の海外保険

[ 加入保険名 ]
東京海上日動海外保険

[ 加入したプラン ]
F
[ 加入した海外保険の費用 ]
76,280円

[ 留学前の予防接種/種類 ]
なし

留学中

[ 現地での出迎え ]
なし

[ 到着後のオリエンテーションの有無/内容 ]
あり/留学生向けのオリエンテーション、校舎案内、交流会があった。

[ 大学の雰囲気 ]
全体的に教員・学生ともにオープンマインドで、先生はもちろん、学生のリーダー的な人が頻繁に気にかけてくれる。のちのち他の専攻に所属した留学生に聞いたところ、そうでもないという話を聞いたので、選ぶ専攻によってのムラや雰囲気の違いはあるようだ。しかし概ね大体の人たちがオープンマインドで優しい印象がある。

[ 留学先の支援体制 ]
交換留学生だけでなく、正規入学の留学生も多いため、授業は基本的に英語で行われていた。住居のサポートはないので自力で探す必要があり、苦労する。しかし、専攻に所属してからの方が、アパートの情報学生からを得られることが多いので、最初はユースホテルを借りるのもありだとは思った。ドイツ語を学びたい場合も基本的には自分で語学学校に通う必要がある。精神面や医療は自分で望めば自分の入った保険のほうが手厚いケアがある。

[ 留学先の街について(治安・気候・利便性・交通機関など) ]
治安や衛生はかなり良い。夜に女性1人でも出歩くことができる。しかし全ての公共機関のアナウンスやサインがドイツ語のみで英語がないため、自分がどこにいるのか、目的地にはどの公共交通機関を選択したら良いのかがわからなくて最初のうちは苦労する。

[ 留学中に得たこと ]
自分が日本で研究・制作していたことが、海外の学生にとっても興味深い内容であったという実感を得た。最初は言葉のギャップなどがあってうまく馴染めるか不安があったが、制作さえすればそれをきっかけに仲良くなれるのは世界共通だと思った。とくに私の留学先はディスカッションが多く、なんでも臆せずみんなが質問してくる印象。自分の研究や制作に自信を持つことと、なんでも話しかけてみる心意気が大切であると思った。

[ 現地での語学研修歴 ]
あり

[ 機関の種類/研修機関名 ]
民間の語学学校/INNES

[ 受講期間 ]
2023/10/5~2024/1/30

[ 大学までの距離 ]
市内

[ 語学研修費用 ]
100,000円

[ 特徴(他の受講生・授業内容など) ]
講師の先生があまり英語を話さない。解説は英語かドイツ語でドイツ語を習熟度別分かれて習う。他のヨーロッパ圏の受講生の方が理解度が速く、置いてかれる印象。解説が英語なので英語自体の高い理解力が必要になる場面が多かった。

[ 同じ留学先の希望者へのおススメ・理由 ]
わからない・人による。結果的に私の留学先ではドイツ語自体を求められなかったため、わざわざ習う必要がないことも多い。ただ、発音がわかるようになるだけでも生活しやすくなるので、教養として習うのはありだと思う。

留学先の授業

[ 履修方法 ]
オンライン上で仮登録、初回の授業に出席でだいたい履修登録完了になる。

[ 受講して満足した授業 ]
自分の専攻の授業(ZKFと呼ばれる授業) 同じ専攻の人たちが週替わりで自分の作品の展示・プレゼンテーションを行う。ディスカッションも多く、同世代の作品を見れるので勉強になる。

[ 具体的な授業内容 ]

履修科目名/担当教員 受講期間 単位数 授業時間数(週) 試験・成績評価方法
 ZKF – Ortsbezogene Kunst III-VII/Prof. Paul Petritsch 2023/10/5~2024/2/1(17週間) 1単位 1回180分(週1回) レポート 作品展示、プレゼンテーション、およびそのレポート提出
Künstlerische Praxis: digitale Formate 2/Prof. Flora Watzal 2023/10/18~2024/1/30(17週間) 1単位 1回90分(週1回) その他 ビデオ提出・コンセプトプレゼン
Künstlerische Praxis: digitale Formate 1/Prof. Flora Watzal 2023/10/18~2024/1/30(17週間) 1単位 1回90分(週1回) その他 ビデオ提出・コンセプトプレゼン
Video: Shooting/Anwendungen aus Videokunst und Videodesign/Prof. Wolfgang Neipl 2023/10/9~2024/1/23(4週間) 1単位 1回180分(週1回) その他 ビデオ提出
Video: Filming-Techniques/Kameraarbeit und Ton/Prof. Wolfgang Neipl 2023/10/9~2023/11/6(5週間) 1単位 1回180分(週1回) その他 ビデオ提出

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住居

[ 住居の種類 ]
ホームステイ

[ 部屋の種類 ]
ワンルーム

[ 住居名 ]
なし

[ ルームメイト ]
なし

[ キッチン ・バスルーム]
個別・個別

[ 食事 ]
自炊

[ 住居を探した方法 ]
友人・知人の紹介

[ 留学希望者に推薦できますか ]
できない

[ 留学希望者に推薦できる理由 ]
特殊例なので他の留学希望者に同じ方法を提供できない。

[ 大学の休暇時期 ]
クリスマスホリデーの2週間ほど

[ 休暇時期の一時退去 ]
なし

[ 住居に関するアドバイス ]
私の場合はトイレが近所の人とシェアで外についていた。シャワールームしかないので浴槽には浸かれず、冬は寒い。

医療

[ 留学中の通院経験 ]
あり

[ かかった医療費など ]
海外保険で無料

[ 困ったこと・健康面に関するアドバイス ]
海外で痔になり、日本の感覚で病院に行ったらいきなり手術にあった。日本の感覚で病院に行くと、海外ではメジャーな病気でない場合があるので、大ごとになる可能性がある。特に海外は気候の変動が激しいのでみんな冬になると風邪をひいていた。

生活面

[ 留学先での銀行口座開設の有無/開設した銀行 ]
なし

[ 開設銀行を選んだ理由/口座を開設しなかった理由 ]
単純にできなかったのと、必要がなかったため開設しなかった。

[ 主に使用した支払い方法 ]
デビットカード

[ 生活に関するアドバイス ]
物価がかなり高く、ユーロも日々変動するので日本円に換算しながっら生活するのがすこし大変に思う。

留学経費


渡航費 片道約15万
入学金 0
授業料 0
教材費 約30,000
住居費 約50,000
食費 約20,000
保険料 約70,000
ビザ申請料 0
総額 約32万 円(1か月)

留学を終えて

[ 卒業・修了後の進路予定 ]
進学(海外)
[ 卒業・修了見込年月 ]
2025年3月 修了

[ 今後、藝大に望むこと ]
大学側の選考基準や情報と、実際に留学先が設けている基準にズレがあるので、そのことを大きく周知していただけるとありがたい。

[ 留学中行って良かった美術館・コンサート等 ]
ミュージアムクオーター、ウィーン国立歌劇場

[ 留学準備・留学中に役立った書籍・ウェブサイトなど ]
特になし

[ 留学に役に立った藝大の授業・理由 ]
英語の授業・GAが開催している英語ポートフォリオ講習会・ネイティブなイギリス人の先生と知り合えるので、ポートフォリオなどの添削をお願いしやすく、ネイティブなので確実な良いモチベーションレターが作成できる。