Universität für angewandte Kunst Wien(ウィーン応用芸術大学)

基本情報

名前: 山田 響己
学部・科or 研究科・専攻: 美術研究科・グローバルアートプラクティス専攻
課程: 修士2年
留学中の本学での身分: 休学
藝大の指導教員: 鈴木 ヒラク先生
留学先: Universität für angewandte Kunst Wien(ウィーン応用芸術大学)
留学国: オーストリア
留学期間: 2024年1月10日~2025年6月30日
留学先の指導教員:Prof. Paul Petritsch

留学までの経緯

[ 留学を志したきっかけ ]
東京に若干の閉塞感を感じていたことなどからヨーロッパのアートシーンへ関心があり、今後の進路としても海外進学を選択肢の一つとして検討しているため。

[ 留学先大学の探し方 ]
友人・知人からの情報や各大学のウェブサイトを参考に、リストに掲載されている興味のある協定校をひたすら調べる。

[ 留学先大学を選んだ理由 ]
大学自体は以前から気になっており、かつ他にあまり存在せず自らの実践にも合致する珍しい専攻があったため。加えて、留学先大学の卒業生である友人が勧めてくれたことも決断の後押しとなった。

[ 語学学習法 ]
語学学習アプリ(DuolingoやMemrise)、YouTube上のドイツ語講座動画視聴

[ 語学試験受験/試験名・レベル ]
受けていない


[ 出願手続き・入試内容 ]
留学先大学より直接送られてくるメールに添付のフォームより希望の専攻とポートフォリオ、モチベーションレター、CVを提出。

[ 出願・入試の対策 ]
英語のポートフォリオをわかりやすくつくる。

[ ビザの種類 ]
ビザD | 在留許可証

[ ビザの申請書類の提出先 ]
在京オーストリア大使館 | MA35(ウィーン市移民管理局)

[ 申請に必要な書類 ]
住居証明、資金証明、旅行保険証書、在学証明書(アドミッションレター)、往復のフライトチケット、パスポート、パスポートのコピー、証明写真(白背景のみ)| 上記に加えてアポスティーユつき無犯罪証明書

[ 申請費用 ]
0 | €188.6

[ 面接 ]
あり

[ 手続きに要した日数 ]
21 |10日

[ 申請時の注意点 ]
とりあえずすべて用意しておく。

[ 奨学金申請の有無 ]
あり

[ 奨学金名称 ]
トビタテ!留学 JAPAN

[ 奨学金の種類 ]
給付
[ 支給内容 ]
総額/272万円

[ 申請時のコツ・対策 ]
ユニークなアプローチで、でも明快な資料をつくること。

[ 加入した保険の種類 ]
日本と留学先の二重保険

[ 加入保険名 ]
たびとも | ÖGK

[ 加入したプラン ]
個人 | 学生

[ 加入した海外保険の費用 ]
4860円 | €73.48/month

[ 留学前の予防接種/種類 ]
なし

留学中

[ 現地での出迎え ]
なし

[ 到着後のオリエンテーションの有無/内容 ]
あり/交換留学生に向けた大学ツアーや履修についての説明など。軽食つき!

[ 大学の雰囲気 ]
だいたい自由でのびのびしているが、専攻によってよりアットホームだったり、独立的だったり、賑やかだったりする。

[ 留学先の支援体制 ]
事前の語学研修コースを紹介してくれたり、PDFで配布される留学生ガイドブックにウィーンでの生活について一通りの情報が記載されていたりと、支援は手厚い。また大学のインターナショナルオフィスに行くと、何でも気さくに相談にのってくれるので安心感がある。

[ 留学先の街について(治安・気候・利便性・交通機関など) ]
とても快適。快適すぎて退屈することもある。夜中でもひとりで犬の散歩をしているひとがたくさんいるほど治安はよく、公共交通機関も発達している。ただしお店も夜はバーやクラブ以外ほぼやっていない。街のほぼ全域を自転車で移動できるので嬉しい。他の欧州の都市へのアクセスもよく、拠点としても便利。気候は東京とあまり変わらないが、非常に乾燥している。夏は日差しが強いがエアコンがほとんどないので皆川やプールに泳ぎに行っている。

[ 留学中に得たこと ]
友人、人や場所とのつながり、コミュニケーションの取り方、ヨーロッパ(特に中欧)のアートシーンの概観、自分自身の客観的かつ相対的な特徴の理解、見知らぬ土地で制作する経験、多少の自信。

[ 現地での語学研修歴 ]
なし

留学先の授業

[ 履修方法 ]
シラバスを確認し、履修システムから希望する授業を登録する。基本的に全専攻の授業を履修できるのですごく迷う!

[ 受講して満足した授業 ]
ウィーンのギャラリーやオフスペースを巡りディスカッションをして本にまとめる授業。

[ 具体的な授業内容 ]

 

履修科目名/担当教員 受講期間 単位数 授業時間数(週) 試験・成績評価方法
ZKF – Ortsbezogene Kunst
/Prof. Paul Petritsch
2024/10/1~2025/6/30(2セメスター) 15 + 15 ECTS 1回300分

週1回

実技 サイトスペシフィックアート専攻のメイン授業。毎週学生数名が作品のプレゼンテーションをして、教員と学生でフィードバックをする。開始前にみんなでランチを食べる。
Technologien/Praxen | Kunst und Prozess
/Prof. Ricarda Denzer
2024/10/1~2025/6/30(2セメスター) 4 + 4 ECTS 1回210分

週1回

実技 アートコミュニケーション専攻の授業。ウィーン市内のギャラリーやオフスペースで開催されるアートフェスティバルに行き、そのキュレーションや作品についてディスカッションする。学期末には、製本ワークショップで用語集をつくり、各々カバーをデザインする。映像作品の制作も行った。
Raum und Objekt
/Prof.  Eva Chytilek
2024/10/1~2025/6/30(2セメスター) 2 + 2 ECTS 1回150分

隔週

実技 トランスメディアアート専攻の授業。前期は空間とオブジェクトについての理論的インプット、アイディエーションやマッピングを中心に行い、後期は学期末の展示に向けた個人制作へのフィードバックをもらったり展示構成の見当を行ったりした。
Künstlerische Projektarbeit | Textile research
/Prof. Ebba Fransén Waldhör
2024/10/1~2025/1/31(1セメスター) 4ECTS 1回180分

週1回

複合 テキスタイル専攻の授業。テキスタイルと公共空間の関係についての理論的インプットと各個人のプロジェクトのフィードバックセッションが中心。プレゼンテーションとコンセプト文のテキストを提出。
Hard on the Heels of…/Prof. Ludwig Kittinger 2024/10/1~2025/1/31(1セメスター) 2ECTS 1回60分

週1回

その他 スカルプチャーアンドスペース専攻の授業。ブルガリア第二の都市プロヴディフにある病院内のギャラリースペースについてのリサーチとプロジェクトのアイディエーション。アートとケアの理論に関するインプットが多かった。

住居

[ 住居の種類 ]
シェアハウス

[ 部屋の種類 ]
一人部屋

[ 住居名 ]
ドイツ語圏ではWGと呼ばれるシェアフラット

[ ルームメイト ]
FLINTA* < 主にドイツ語圏で使われているクィアを指す言葉です。特に美大周辺のコミュニティではFLINTA*向けのシェアフラットがたくさんあります。

[ キッチン ・バスルーム]
共同

[ 食事 ]
自炊

[ 留学希望者に推薦できますか ]
できる

[ 留学希望者に推薦できる理由 ]
学生寮に比べ随分安く、住んでいるだけで現地の知人、場所やイベントの情報が一気に増えていくため。

[ 大学の休暇時期 ]
クリスマス休暇2週間、ミッドターム休暇1ヶ月、イースター休暇2週間、夏季休暇3ヶ月

[ 休暇時期の一時退去 ]
なし

[ 住居に関するアドバイス ]
専攻が決まったタイミングで招待してもらったグループチャットで部屋を探していると直接尋ねたところ、クラスメイトのひとりがメッセージをくれ、その後ルームメイトとのズームミーティングを経て住むことが決まりました。留学生含めこちらの学生の8割くらいは家賃も安くコミュニティとも繋がれるためシェアフラットに住んでいます。日本からだと探すのが大変ですが、良いところが見つかれば本当におすすめです。

医療

[ 留学中の通院経験 ]
なし

[ 困ったこと・健康面に関するアドバイス ]
特になし。二度高熱が出ましたが、水分をたくさん接種してずっと眠っていたら数日で回復しました。こちらでも薬局で同じものを簡単に購入できますが、日本から解熱鎮痛剤など持っていくといざというときに安心かもしれません。

生活面

[ 留学先での銀行口座開設の有無/開設した銀行 ]
なし

[ 開設銀行を選んだ理由/口座を開設しなかった理由 ]
WISEとRevolutというオンラインバンクのようなサービスを使っていたため必要なかった。特にWiseでは無料でヨーロッパの銀行口座が持てるので、現地で手数料なしでお金を送金し合うのに便利。

[ 主に使用した支払い方法 ]
クレジットカード

[ 生活に関するアドバイス ]
日々の支払いには、Revolutのカードをスマートフォンに入れ電子決済を利用していました。無料で使えて為替レートが格安なのでおすすめです。ウィーンでは現金しか使えないところもあるので、少しだけ現金を持っていると良いと思います。

留学経費

渡航費 65,000
入学金 0
授業料 0
教材費 0
住居費 550,000
食費 250,000
保険料 126,000
ビザ申請料 32,000
その他(大学組合費) 8,000
その他(交通/自転車費) 41,000
その他(通信費) 9,000
総額 1,081,000
【現地通貨レート】 €1 = ¥170.28581(2025年7月4日 時点)

留学を終えて

[ 卒業・修了後の進路予定 ]
進学(海外)

[ 卒業・修了見込年月 ]
2026年3月

<!–[ 就職活動場所/希望する就職先 ]

[ 今後、藝大に望むこと ]
特になし。

[ 留学中行って良かった美術館・コンサート等 ]
セセッション(ウィーン)クンストハウス・グラーツ(グラーツ)テート・モダン(ロンドン)MACBA(バルセロナ)ベネチアビエンナーレ(ベネチア)アムステルダム市立美術館(アムステルダム)クンストハル美術館(ロッテルダム)デポント美術館(ティルブルフ)北ブラバント美術館(デンボス)サウスバンク・センター(ロンドン)Flex(ウィーン)Rhiz(ウィーン)

[ 留学準備・留学中に役立った書籍・ウェブサイトなど ]
note, instagram, youtube

[ 留学に役に立った藝大の授業・理由 ]
GAPの授業全般。 前提となる知識、文化、考え方を共有していない他者と、お互いにとっての第二、第三言語でコミュニケーションを取ることのトレーニングになったから。