ウィーン大学 Universität Wien

基本情報

名前: 中島瑞稀
科・専攻: 音楽研究科 音楽文化学専攻 音楽学
課程: 修士
留学中の本学での身分:在学
藝大の指導教員: 土田英三郎先生・沼口隆先生
留学先: ウィーン大学
留学国: オーストリア
留学期間: 2020年1月31日~2020年 3月29日
留学先の指導教員: ビルギット・ローデス先生(Univ.-Prof. Dr. Birgit Lodes)

留学までの経緯

[ 留学を志したきっかけ ]
修士論文の執筆のため、ウィーンに長期滞在して膨大な資料を集める必要があった。同時に、資料研究一般の実践的なトレーニングを積みたかった。

[ 留学先大学の探し方 ]
留学先指導教員の研究分野・研究手法を調べて2019年4月頃にメールで連絡をとった。その後、夏秋のウィーン短期滞在中に面会機会をいただけたので、直接お会いした際に2020年夏学期からの受け入れをお願いした。

[ 留学先大学を選んだ理由 ]
研究テーマがフランツ・シューベルトを中心とする18世紀後半から19世紀前半のウィーンの教会音楽であったため、執筆者にとって留学先都市はほとんど自明であった。たしかに資料研究という点ではドイツのテュービンゲン大学も検討したが、最終的には、国立図書館や教会アルヒーフにおける所蔵資料の豊富さ、指導教員とのマッチング、都市の魅力といった観点から総合的に判断してウィーン大学に決定した。

[ 語学学習法 ]
隙間時間の活用。ラジオ(Ö1)を聴くことでリスニングを強化した。

[ 語学試験受験/試験名 ]
留学前:ÖSD Zertifikat B2(筆記のみ合格)
留学後:ÖSD Zertifikat C1(筆記・口述ともに合格)

[ 使用した教材 ]
Aspekt neu

留学の準備

[ 出願手続きや入試内容 ]
入試はなかった。事務手続きのみ。

[ 出願・入試の対策 ]
2019年9月から10月にかけてオーストリア学術アカデミー(OeAW)でインターンをした際に、現地の研究者と知り合えたことで、2020年冬からの長期留学がスムーズに始められ、かつ充実したものとなった。

[ ビザの種類 ]
滞在許可(学生)

[ 申請書類 ]
オーストリア政府あるいはウィーン市のHPを参照してください。

[ ビザの申請書類の提出先 ]
MA35

[ 申請費用 ]
約15, 000円

[ 面接 ]
あり

[ 手続きに要した日数 ]
半年以上

[ 申請時の注意点 ]
コロナ禍で一時帰国したため、取得に半年以上かかっている。執筆者のケースは例外的であるが、滞在許可の申請は想像以上に骨が折れた。留学前に市役所、翻訳事務所、大使館、外務省、公証役場、警察に赴き、必要書類をもれなく準備した。

[ 奨学金申請の有無 ]
あり

[ 奨学金名称 ]
東京藝術大学海外留学支援奨学金

[ 奨学金の種類 ]
給付

[ 支給内容 ]
総額 400, 000円

[ 申請時のコツ・対策 ]
留学の目的や現地での研究計画を十分に練った上で第三者に添削してもらった。動画内で工夫したのは、いかなる理由で当該奨学金が必要なのかについて、具体的に足りない金額をパワポで示しながら丁寧に説明した点。

[ 加入した保険名 ]
UNIQA

[ 加入したプラン ]
学生用

[ 加入した海外保険の費用 ]
約60ユーロ/月

[ 留学前の予防接種/種類 ]
なし

留学中

[ 現地での出迎え ]
なし

[ 到着後のオリエンテーションの有無・内容 ]
なし

[ 大学の雰囲気 ]
幅広い世代、様々なバック・グランドをもつ学生がいた。

[ 留学先の支援体制 ]
ウィーン大学に在籍して最も好印象だったのは、学費の支払い、証明書の取得、履修登録、授業資料へのアクセス、オンライン授業(会議)への参加等がすべて個人ページ上でスムーズに行えたこと。語学(ドイツ語のみならず全世界の主要言語)の授業は、学費と別に授業料がかかる(専攻・学科による)。保険・住居等は大学に頼らず、自分で探して契約した。

[ 留学先の街について(治安・気候・利便性・交通機関など) ]
ウィーンは、他のヨーロッパ諸都市と比べて田舎だと言う人もあるが、個人的には必要なものがコンパクトにまとまっていて非常に住みやすかった。とりわけウィーンの中心部は地下鉄、路面電車、バスが張り巡らされているため、20分から30分あればどこにでも行ける。治安は特に気にならず、外国にしては安全(強いて言うならば、夜、U6に乗ったり同地下鉄の西側に行ったりすることは避けた方がいいかもしれない)。しかし役所での滞在許可の申請はストレスフルであった。非常に対応が悪く、想像以上に取得まで時間がかかるので注意。初申請時は、現地の知り合いに同行してもらうことを強くおすすめする。

[ 留学中に得たこと ]
コロナ禍により約2か月で留学を中断せざるを得なかったが、帰国後もオンラインで授業・試験を受けて留学先大学の単位を取得した。留学先指導教員やその他の研究者の方(OeAW)に修論の指導をしていただけたことで、新たな展望をもつことができた。また資料の収集もすすめられた。

[ 現地での語学研修歴 ]
あり

[ 機関の種類/研修機関名 ]
大学附属語学施設/Sprachenzentrum

[ 受講期間 ]
2020/2/4 〜 2020/6/19

[ 大学までの距離 ]
キャンパス内

[ 語学研修費用 ]
2月:435ユーロ、3月〜6月:915ユーロ

[ 特徴(他の受講生・授業内容など) ]
2月のインテンシブ・コースはエラスムスの学生が多く緩かった。3月から6月のセメスター・クラスは厳しい先生だった。ライティングの添削を丁寧にしてくださったので伸びを感じられた。

[ 同じ留学先の希望者へのおススメ ]
わからない。先生によって、またクラスによって指導方針や雰囲気が異なるので、確実なことは言えない。

留学先の授業

[ 履修方法 ]
オンライン上のシラバスを確認して、個人ページから期限内にAn/Abmeldungのボタンをおす(学期が始まる前に登録を締め切る授業が多い。しかしその期限が過ぎてしまっても、先生に相談すれば登録が可能なこともある)。

[ 受講して満足した授業 ]
Messkompositionen bis 1600 (Univ.-Prof. Dr. Birgit Lodes), Arbeiten mit Musikquellen (Dr. Elisabeth Hilscher)

[ 具体的な授業内容 ]

履修科目名/担当教員 受講期間 単位数 授業時間数(週) 試験・成績評価方法
Messkompositionen bis 1600/Univ.-Prof. Dr. Birgit Lodes 3月1日~6月30日
(14週間)
4 ECTS 1回90分/週1回 その他 口頭試験
Arbeiten mit Musikquellen/Dr. Elisabeth Hilscher 3月1日~4月30日
(6週間)
5 ECTS 1回90分/隔週 その他 コロナ禍にともなう帰国により、実習に参加できなくなったため、履修を取り消した。

 

ウィーン大学音楽学専攻の建物

住居

[ 住居の種類 ]
シェアハウス

[ 部屋の種類 ]
一人部屋

[ 住居名 ]

[ ルームメイト ]
男女混合

[ バスルーム・キッチン ]
共同

[ 食事 ]
自炊

[ 住居を探した方法 ]
友人・知人の紹介

[ 留学希望者に推薦できますか ]
わからない。
短期滞在にはおすすめ。長期で学問に集中したい人には向かない。皆、親切だったが来客が多い。立地については満足だった。

[ 住居に関するアドバイス ]
1月~2月、7月~9月は学期の変わり目で人の出入りが多いので、多くの広告が掲載される。

教会(同じ建物内のシェアハウス住んでいた)
家の共有スペース

医療

[ 留学中の通院経験 ]
なし

[ かかった医療費・困ったことなど ]

[ 健康面に関するアドバイス ]

生活面

[ 留学先での銀行口座開設の有無/開設した銀行 ]
あり/Bank Austria

[ 開設銀行を選んだ理由/口座を開設しなかった理由 ]
家の近くにあったから。口座維持費が高いので、Erste Bankに切り替える予定。

[ 主に使用した支払い方法 ]
現金

[ 生活に関するアドバイス ]
日本食は現地でも入手できるが、高いので可能な限り多めに持ってきた方がいい。

留学経費

渡航費(往復) 160,000
入学金 0
授業料 200,000
教材費 20,000
住居費 50,000
食費 20,000
保険料 8,000
ビザ申請料 15,000
その他(制作費)
その他(研究費/その他渡航日含む費)
その他(事前に購入した機材費)
総額 473,000

留学を終えて

[ 卒業・修了後の進路予定 ]
就職

[ 卒業・修了見込年月 ]
2022年3月 修了見込

[ 就職活動場所 ]
日本

その他

[ 留学中行って良かった美術館・コンサート等 ]
楽しみにしていたコンサートはロック・ダウンによりキャンセルされてしまった。

[ 留学準備・留学中に役立った書籍・ウェブサイトなど ]
日本人が日本語で書いたサイトも役に立つが、最終的には公式ホームページをチェックすることが肝要。

[ 留学に役に立った藝大の授業 ]
大学院ゼミ。大学院ゼミで鍛えた外国語の文献を正確にかつ批判的に読む能力は、留学先でもつねに必要とされた。

シューベルト像
チロルの冬の山
帰宅途中の景色
友達とカフェ