ハレ・ブルグ・ギービヒェンシュタイン美術学校 Burg Giebichenstein University of Art and Design Halle

名  前: 大木戸 美緒[gakunai](1110197)[/gakunai]
科・専攻: 先端芸術表現専攻
留 学 先: ハレ・ブルグ・ギービヒェンシュタイン美術学校
留学期間: 平成25 年 4 月 ~ 平成26 年3 月

■留学までの経緯

*留学を志したきっかけ
 学部3年の時、将来の進学先としてドイツの美大も選択肢に入れたかったため、まずは藝大の短期交換留学制度でドイツの美大に在籍し、現地での大学生活や日常生活、現地の言葉に慣れることを目指した。

*留学前の短期研修歴
 特になし

*留学先を選んだ理由
 歴史的背景から旧東独地域の生活に興味を抱いた。藝大の提携校で旧東独地域にあるのはワイマールのバウハウス大学かハレのブルグであるが、ワイマールは観光地として有名であり、日常生活のフィールドワークの対象としては適切ではないように思えたため、ハレのブルグを選択した。

*留学の目的
 戦後の現代美術を参照にするにあたって、敗戦国でありながら大きく戦後の現代美術をリードしたドイツ美術の研究。その土壌となったドイツ社会の一員として、ドイツ社会のフィールドワーク。特に旧東独地域や東西に分裂していたベルリン、今日の移民状況等に重点を置いた。

■留学の準備

*語学学習法
 学期中は週1回大学で行われる交換留学生向けのドイツ語の授業と、週3回夕方〜夜に行われるVolkshochschule(市民学校)のドイツ語の教室に通い、長期休暇中は民間の語学学校に毎日通った。

*出願手続きや入試内容
 藝大の交換留学プログラムなので特になし。ただし科の国際交流担当教員を通じて経歴書と簡単なポートフォリオ(A4/2 枚程度)を提出した。

*奨学金申請の有無や申請方法のコツ
 無申請。[gakunai]DAAD(ドイツ学術交流会)は藝大生を優遇すると正規の留学生から聞いたが、真偽は不明。[/gakunai]

■留学中

*学校や現地での生活の実際

【ハレでの生活の諸手続き】
 大学のInternational Office の学生チューターが生活をサポートしてくれる。チューターとの会話は英語。

【ビザ】
[gakunai] ハレの外国人局は厳しいと聞いた。[/gakunai]早めの申請を薦める。

【学生保険】
 交換留学生向けのオリエンテーションに保険会社の担当者が来るので、その場で契約。

【学生寮】
 日本でStudentenwerk を通して事前契約。光熱費込みで月200ユーロぐらい、部屋数は余裕あり。
 美術キャンパスとデザインキャンパスの中間にあるFelsenstr.か街の中心に近いHerz が選べるが、大学はやや郊外にあるのでHerz から通学する場合は自転車かトラムの定期があった方が便利。
 契約は学期ごとなので、次の学期の在籍許可が下りたらすぐStudentenwerk で契約更新をすること。
 退室は学校での除籍手続きが完了しない限り認められない。

【インターネット】
 学生寮の一室に通信会社のオフィスがあるのでオフィスアワーに訪問して契約する。月額15ユーロ位。
 それまでは大学図書館のフリーWi-Fi か、大学のアトリエの有線LAN を利用するのが便利。

【授業開始前に】
 担当教授に早めにコンタクトを取り、挨拶と自己紹介をして授業計画を聞くこと。
 専攻毎にチューターがいるので、チューターを経由して教授にアポを取るのが確実。
 尚、教養科目のスケジュールは各キャンパスの事務あるいは大学のWeb サイトで入手できる。

【工房について】
 交換留学生を対象にした講習会(共通工房/木工・金属・プラスチック)があるので、利用を希望する学生は必ず参加のこと。専攻がそれぞれ持っている工房については直接レクチャーを受けること。
 他専攻の学生が利用できるかは各専攻の方針によると思われる。
 専攻の工房としては陶磁器/写真/版画・印刷/ガラス/紙すき等があった。

【交通】
 1学期80ユーロぐらいの通学定期が便利。路面電車/バスの均一区間が載り放題。

【画材】
 大学には購買がない。素材は工房で注文できる。Felsenstr.の寮の近くには[gakunai]カメレオンという[/gakunai]小さな画材屋があり、街の北部の[gakunai]toom という[/gakunai]ホームセンター、街の中心部にある[gakunai]Mäc-Geiz という[/gakunai]格安バラエティショップが便利。ライプツッヒに[gakunai]boesner という[/gakunai]大きな画材屋がある。

*留学中に得たこと、困ったこと

<得たこと>
 調査・研究を目的としたため制作活動自体は少なかったが、ドイツ語を習得したため「ドイツ人の生の声」を聞くことができたのは大きな収穫だった。同級生の好意によりベルリンに1ヶ月半滞在でき、下火になったとは聞くが、現代美術の世界的ホットスポットを直接体感し、また、それを生み出した文化・歴史的背景にも触れることができ、自身の制作の参考となった。

<困ったこと>
【現地の言葉】
 旧東独の第一外国語がロシア語だったためか、大学の中や若い人を除いてあまり英語は通じない。
[gakunai] またハレは訛がやや強いので、標準ドイツ語の聞き取りより苦労する。[/gakunai]

【各種手続き】
[gakunai] 言語ができない、[/gakunai]社会システムの差異等により手続き関係は日本より難航する。
 早めに行動する/アポを取って担当者をしっかり捕まえる/オフィスアワーと休暇を確認する等が有効。

■留学を終えて

*留学経験を踏まえた将来の展望
 現在正規での留学を目指し、ドイツの各美大の情報や奨学金の情報を集めている。
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■その他

*藝大に望むこと
 1年の留学はあまりに短いと感じた。大学間の交換留学プログラムは一般的にそのようなものだと思うので、自主留学のサポートもして頂けると大変ありがたいです。
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※学外へは一部を抜粋して公開しています。

【体験記】(ハレ)-1

【体験記】(ハレ)-2